最終処分場浸出水、処理困難の理由(9):pHの問題

最終処分場浸出水、処理困難の理由(9):pHの問題

 

 

Hの調整は一般論としても難しい。排水処理はpH に始まりpH調整に終わると言っても過言ではない。私たちはpH調整設備がまともに設計できるようになったら一人前というような言い方をする。簡単なようで意外に難しいからである。

 

特に放流直前のpH調整は中性付近(5.88.5)に調整するわけであるが、これを一般には強酸である硫酸または強アルカリである苛性ソーダの濃厚液によって行う。しかし、中性付近では少量の強酸、強アルカリが入ることで大きくpHが振れる。したがって放流直前の中和には十分な滞留時間を取るとか、PID(比例積分)制御のような高度の制御方法を取る必要がある。その他にも、pH調整槽は十分に撹拌されていることとか、pH検出端と酸、アルカリ注入点は遠すぎず、近すぎない、距離が必要である等、こまごまとした配慮事項がある。

 

上述したようにpH調整は一般にも意外とむつかしいのだが、ごみ埋立地浸出水の場合は更に難しくしている要因がある。

 

ごみ埋立地浸出水のpHは多くの場合中性付近の排水であるが、処理の過程でHはさまざまに変化する

 

例えば、最近のゴミ埋立地浸出水処理では焼却灰は入ることは前提になっているから、ほとんどの設備では生物処理の前にカルシウム除去設備が配置されている。この場合は炭酸ソーダを添加してカルシウムを炭酸カルシウムの形で凝集沈殿除去する。したがってその処理水pHは10前後を呈する。これを生物処理にするには中性付近までpHを調整しなければならない。

 

また、生物処理は多くの場合硝化脱窒方式であるため、pHは時として酸性側に傾いたり、アルカリ側に傾いたりしがちである。

 

また生物処理後でもオゾン処理が設置されている場合は。オゾンとの反応性を高めるために、pHをアルカリ性に調整したりする。

 

放流前には砂ろ過器や活性炭塔を通すことが多いが、ここでも生物作用などによりしばしばpHが変化して中性域を逸脱する。

 

そのため、最終放流直前にはpH調整設備の設置が必然なのだが、どうしたことか、この設備がない施設が多い。生物処理後ではpHは変化しない前提に立っているようであるが、実際は生物処理後もpHは大きく変化する。

 

放流直前にpH調節設備がなければ、やむなく前段でpHの振れを見込んで高め、または低めに調整するというような無理を強いられる。このとを私は「2階から目薬」と称しているが、その調整は誠に困難である。

 

更にこのpH調整を難しくしている要因が、ごみ埋立地浸出水のpH緩衝能(バッファーアクション)低さである。以前の生ごみ中心の埋立物の場合はそうでもなかったが、最近の焼却灰中心の埋立物からの浸出水は塩類濃度が非常に高いにも関わらずpH緩衝能は非常に低い。これは弱酸性イオンや弱アルカリ性イオンが減って強酸性イオンや強アルカリ性イオンが中心になっているからと考えられる。

pH 緩衝能が低いと、ちょっとしたことでpHが大きく振れるので、最終段のpH調整には一層慎重でなければならない。

 

 

この項終わり。次項につづく。

 

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