省エネ法(工場・事業場)が変わります

省エネ法(工場・事業場)が変わります

-平成214月から準備が必要です-

 

  我が国は、京都議定書の目標を確実に達成するとともに、中長期的にも温室効果ガスの排出量を削減することが求められております。温室効果ガスの約九割はエネルギー起源の二酸化炭素であり、一層の地球温暖化対策の推進のため、省エネルギー対策の強化が求められております。こうした状況を踏まえ、平成205月に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)が改正されました(施行日は平成2241日を予定。ただし、平成214月から1年間のエネルギー使用量の計測・記録が必要となります)。これまで一定規模以上の大規模な工場に対しエネルギー管理義務を課しておりましたが、今回の改正により事業所単位から事業者単位(企業単位)のエネルギー管理が義務づけられることとなり、業務部門に多く見られる中小規模の事業場を数多く設置する事業者が新たに義務の対象に加わることとなります。また、一定の要件を満たすフランチャイズチェーンについても、チェーン全体を一体として捉え、本部事業者に対し、事業者単位のエネルギー管理と同様な管理義務が課されることとなりました。ここでは、省エネ法の概要と主な改正のポイントなどについて以下にご紹介致します。

 

1.省エネ法とは

「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)は、石油危機を契機に1979年(昭和54年)に制定されました。省エネ法は、内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場・事業場等についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置等を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。

 (1)改正前の指定基準

   燃料・熱・ガス・電気などのエネルギーを一定規模以上使用する工場・事業場は、その年間のエネルギー使用量(原油換算値)を工場・事業場ごとに国へ届け出て、エネルギー管理指定工場の指定を受けなければなりません。

 (2)義務

エネルギー管理指定工場は、エネルギー管理者やエネルギー管理員の選任、エネルギーの使用の状況等の定期報告書や中長期計画書の提出、設備ごとのきめ細かな現場でのエネルギー管理を工場・事業場単位で行なうことが義務付けられています。

 

 

2.今回の主な改正のポイント

(1)指定基準の改正

①工場・事業場単位から企業単位へ

今回の改正(平成205月改正)では、これまでの工場・事業場ごとのエネルギー管理から、企業全体での管理に変わります。したがって、企業全体(本社、工場、支店、営業所など)の年間のエネルギー使用量(原油換算値)が合計して1,500kL以上であれば、そのエネルギー使用量を企業単位で国へ届け出て、特定事業者の指定を受けなければなりません。

②特定連鎖化事業者も新たに規制の対象となり得ます。

コンビニエンスストア等のフランチャイズチェーンも同様に事業全体でのエネルギー管理を行わなければなりません。フランチャイズチェーン本部が行なっている事業について、約款等の取り決めで一定の要件を満たしており、かつ、フランチャイズ契約事業者(加盟店)を含む企業全体の年間の合計エネルギー使用量(原油換算値)が1,500kL 以上であれば、フランチャイズチェーン本部がその合計エネルギー使用量を国へ届け出て、特定連鎖化事業者の指定を受けなければなりません。また、エネルギー管理指定工場の指定については、これまで同様に一定規模以上のエネルギーを使用する工場・事業場等は、エネルギー管理指定工場の指定を受けることとなります。

    ※1 政令公布時に正式決定します。

 

(2)報告書等の提出単位の変更

エネルギー管理指定工場の義務のうち、定期報告書、中長期計画書の提出が従来の工場・事業場単位での提出から企業単位での提出に変わります。

  改正前後2.JPG 

 

(3)エネルギー管理統括者等の創設

特定事業者及び特定連鎖化事業者は、エネルギー管理統括者(企業の事業経営に発言権を持つ役員クラスの者など)とエネルギー管理企画推進者(エネルギー管理統括者を実務面で補佐する者) をそれぞれ1名選任し、企業全体としてのエネルギー管理体制を推進することが義務付けられます。

※2 エネルギー管理講習修了者又はエネルギー管理士から選任しなければなりません。

 

3.企業全体でのエネルギー使用量の把握

今回の改正に伴い企業全体でのエネルギー使用量の把握に努めていただく必要があります。

(1)エネルギー使用量データの記録

エネルギー使用量は平成21年4月から1年間記録する必要があります。下記フロー図のとおり、企業全体での年間の合計エネルギー使用量(平成214月~223月まで)を正確に把握し、1,500kL以上であればエネルギー使用状況届出書を平成22年度に管轄の経済産業局へ届け出る必要があります。

手続きのフロー.jpg 

 

(2)ポイント

平成214から1年間、全ての工場・事業場エネルギー使用量(原油換算値)を把握してください(例:電気・ガスについては、毎月の検針票に示される使用量を把握)。

②エネルギー使用量を以下ア~ウの手順で原油換算値へ換算してください。

ア 使用した燃料・熱・ガス・電気ごとに全社の年間の使用量を集計してください。

イ アの使用量に燃料の発熱量、熱の係数、電気の換算係数を乗じて熱量(GJ)を求めた後合計して年間に使用したエネルギー量(熱量合計、GJ)を求めてください。

ウ イの年間の使用熱量合計(GJ)に、0.0258(原油換算kℓ/GJ)を乗じて年間のエネルギー使用量(原油換算kℓ)を求めます。

また、事業所ごとに各月ア~ウを行い事業所ごとのエネルギー使用量を求めてから合計する手順もあります。

(3)合計が1,500kL以上の場合は、平成22年度に経済産業局へ届け出る必要があります。燃料の発熱量、熱の係数、電気の換算係数の具体的数値、集計用の簡易ツールは資源エネルギー庁のホームページを参照して下さい。

 

 簡易ツール画面

簡易ツール画面.jpg 

 

   以上で、省エネ法の概要と主な改正のポイントについてのご紹介を終わらせて頂きますが、ご質問などございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡頂けますよう宜しくお願い申し上げます。また、繰り返しになりますが、今回の改正に伴い、平成214月から企業全体でのエネルギー使用量を把握して頂き、年間のエネルギー使用量が1,500kL (原油換算値)以上となる場合には、平成22年度に「エネルギー使用状況届出書」を管轄の経済産業局にご提出頂く必要があります。事業者の方々におかれましては遺漏無きようご対応ください。

 

エムズでは、届出や報告書の作成代行を行っています。

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